なぁみんな聞いてくれよ。
こんなことあんまり書きたくないんだが、今日ぐらい許してくれ。
まだ誰にも言ってないつもりなんだが、最近大きな別れがあったんだ。
付き合ってまぁまぁ長かったが、それなりに楽しかったし、いい思い出もたくさんあった。
毎日一緒にいたわけじゃないが、オレが苦しいとき、テンション高いとき、側で見守ってくれてる存在だった。
みんなの前では静かだけど、オレの前では口を開いてた。そんなところも好きだったな。
ありがとな。
オレの筆箱。
コイツとの思い出を語るときに一人の男を紹介しなくちゃいけないな、ナガノっていう友人なんだが
彼が2年前ぐらいに、いきなりメールしてきたんだ。
ナ「筆記用具紛失したから、買うんついてきてや」
おいおい、、俺たち大学生だぜ。なんでそんな小・中学生の休日の過ごし方(基本買い物は文房具)みたいなことしなくちゃいけねぇんだ…
だけど俺たち親友だったんだ、甘んじて付いていったらコイツが現れたんだ。
惚れたね。
見ろよこの革命的なデザイン。左の列に一人だけインディアンがいるだろう?統一性の無さもコイツの魅力だったんだ。
俺たちはお揃いの筆箱を買ったんだ。天王寺のロフトがまだフープにあった時代さ。
だが別れはいつも急だった。
コイツの開いた口を閉じてやろうとしたら、「パキョロン」って音と共に崩れていったよ。
オレも、コイツも、開いた口が塞がらなかった。
買ってから一度もナガノと筆箱の話をしていない。
だから今夜はナガノにメールをしてみたんだ。アイツの開いた口を添付して、さ。
オレ「見事な最期だったけど、そっちのはどうよ?」
ナガノ「同じ終わり方wwwwww」
基本筆箱の最期ってチャック潰れて終わりだけどよ、何か運命を感じたね。
なぁみんな見てくれよ。このシミはカテキョの教え子の家でミルクティーぶちまけられたシミなんだ。
奇麗な色してるだろ?これでも死んでるんだぜ…